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アーカイブ:【コラム】生まれ故郷へ12月20日

 記念すべき第一号は、紀行文風のコラム掲載。

2015/10/11 14:43:40

 

 

 母が亡くなって間もなくのことです。
気持ちを整理するために思い立ち、一路故郷へ昔の様に車を使わず行くことにした。

 

 母が遠くまでやって来た事が少しでも実感出来ればと思った、踏み台にした申し訳無さと、今までと、これからを少しでも考える時間が欲しい。

母への謝罪でも感謝でもなく、自分のけじめと考える、無駄かもしれない。
少しでも変われればと考えた、相変わらず行き当たりばったりの発想。

上小田井から名鉄名古屋駅経由で北東へ下る、ある駅で降りそこからバスで故郷へ。故郷から徒歩で一旦自宅に行ってお金を準備後に檀家寺へ向かう予定。

自宅で仏壇に線香をあげてザックに必要な物を詰めて出発。
母が若い頃名古屋に来て、”遠かった”と言ったことを思い出した。

  ここのところ色んな事が起こったし、色々考えた。

今後どう生きるべきか?
甥っ子にも旅をさせてはどうか? など。

 

AM5:30自宅出発。

5:49名鉄上小田井発。
 同6時丁度、名駅
6:12のJR線発下り普通列車

あえてノンビリ快速は見送った、
まだ外は暗い。

 駅ごとに人が乗り込む、傷心のつもりもあったので、人が増えると煩わしく思った。
鶴舞を過ぎた頃、東が朱く染まっている、千種駅何年ぶりな風景、自分の周り席が埋る。

平日でこの早朝に関わらず、席は既に一杯で立ち乗りもチラホラ、矢田川越えた頃に見張らし良く朝焼けが美しい。

ちょっと感動的。

風景は空以外未だ黒く、でも昔と一見変わらなかったのは意外だ、唯一環状線の明かりが印象的な位。
駅は勝川が、ホームが激変していた、そういえば当時その片鱗はあったな。

 

 王子製紙工場の排煙の空とのコントラストが美しい、未だ外灯やヘッドライト点灯。
6:35春日井駅、五味さん(耳鼻科医院)。
 耳医者に母によく連れていって貰った、その苦労に感謝。

おー、駅のホームで二人しておにぎり食べたな。

 感傷する間もなく、JR駅。
少し変わった様だ。
次駅に向かう内に、風景は街の稜線でなく、山の稜線に変わっていた。

6:41KJ寺
 ここで一気に人が降りたら、急に寒くなる、何処も禁煙だ。
アナウンス、懐かしい。
JK寺……KK渓……。
お経の様に聞こえる、これを聞くともうすぐだ、と思ったものだ。

トンネル、潜って直ぐJK寺。
駅から見る風景は車で通るそれとは違って旅してる、って感じ。
昔と変わらない、自分は歳をとって、スマホ両手にこれを書いてるギャップ。

6:48下車駅一つ手前のKK渓、
渓谷にある無人駅で国定公園の中にある。
川向うの山上にあるニュータウンから、けもの道を降りてきたサラリーマンが寒そうに今も立ってる。
発車してすぐトンネルの中、
シャーっとレールの滑る音が今は印象的、鉄さびの香りも懐かしい。

トンネルをいくつか抜け出ると、県病院。
日も高くなって外は明るくなっていた。

レール切替の揺れ、中農方面行き用だった5番線に滑り込む、
下車駅到着。

6:53に自国は変わったところだった。
 エスカレーターを登り降り、慣れた乗客は先に皆歩いて行ってしまう。
すっかり変わった駅構内は不慣れな自分はちょっと戸惑う、
今は繁華街が逆転スッカリ昔の駅裏だった北口が立派にになっていた。

慣れた南口から駅を降りる、この旧駅前も結構変わったかも、
寒い!晴れてるのに異常にさぶい!底冷えが甚だしい中、バス停へ。

もしや故郷行きは無くなって?……いや在りました!
時間確認7:10が始発の様だ、H行き、確認して一旦駅前へ戻って朝食を購入。

7:07だ、おっと、もうバスがいる!
 ダッシュで二番乗り場へ、あわてる、あわてる。
何とか間に合って、久々の最後尾へ座り朝食。

自分含めて四人乗ってないけど定時に発車、その後も余り乗り降りしない、早朝だから当たり前だ
が、最大でも六人。

このバスに乗るのは何十年振り、思えばバスに乗ること自体久しぶり。
バスが急停車、必ずお座り下さいのアナウンスが懐かしい、風景は目線の高さ意外目新しさ無し。

ルート変わらず細い道を揺られながら抜けて一路故郷へ、
救急車の音、母が何度も運ばれたのを思い出し、胸がざわつく。
自分を含めて携帯を見てる者がいた。

7:30故郷に立つ、
 しもごうど下車、290円支払いにモタツク。
自家用車以外で久しぶりの故郷に降り立って、そのまま最寄りの神明神社へお参り。
その裏にデイサービスが出来ていた、その裏口がバス停まで延びている。
駅より底冷えが更にひどく感じ、さっぶうー!!!と方言がポロリ。
神社でまずみそぎの水桶へ、石作りは変わらないが、龍が真ん中で口から水を吐いていた。

『平成二十五年伊勢神宮式年遷宮』とある。
名古屋駅にもポスターがあったが、この神社の裏には平安時代の始祖の古墳がある、田舎だけどその始祖の位が高い人らしく、神宮と縁があるのだろう。

お参りして振り替えると朝日が飛び込んできて眩しい、改めて朝だと認識、甲高い鳥の鳴き声が印象的。
敢えて正面鳥居を抜ける、故郷卒業の意味あり。

7:54歴史を感じつつ神社鳥居を抜ける、
 いざ自宅へ。

8:00実家前に到着、寒さで心臓が痛い。
 出来れば母が生まれて以来、長年住んだこの生家で看取ってあげたかった。
自分も死ぬときは心臓病で、母と同じ様に死ぬのかな、母と同じならそれでも本望。
手がかじかんで、思うようにタイプ出来ない。

8:30お隣さんだったKWさん報告。
 移転直前に家を金かけて改修の際、屋根をお借りしたお礼、今になって申し訳無い。

9:02実家出る。
 町内組長Nさんの店、母の親友Kさん宅に寄って、檀家寺へ。
浦山から霜柱を踏んで勝十さへ、

9:11かっちゃんに手短に報告、
 それで終わりと少し物足りなさ、区の公民館の下を歩いていると、
かっちゃんが届いた。こういう義理堅さが生前の母の人脈を感じる)

暫く話し込むと、お母さんも痴呆が甚だしいらしい。
良く見とりましたね、とKWさんと同じことを言われたが、
いえいえ、申し訳ない気持ちで一杯。

かつて小学校へ通った道を足で上る、
途中でデイサービスのワゴン車、この地も介護が増えたんだな。

9:25頃静かだ、
 遠くで学校か町役場だろうか、チャイムが聞こえた。
間もなく檀家寺に、和尚さんが自慢していた本堂・納骨堂は改築工事中。
25日完成とある、間もなくだ最後の追い込みか屋根瓦吹き替え中、本堂は緑色のネットで見えない、残念、チョッと寺社家紋のある提灯が自慢気に見えた。
間もなく和尚は顔を見せた、上がらさせて頂く。

案内された部屋には掛け軸の書、

勝って上を向かず、負けて下を向かず。


いい言葉だ、身に染む。

和尚と暫し談話、ここは1600年代の創建で、そういう寺は多いそうだ。
本来の目的、お布施を納め四十九日法要日時を決める。
二月三日日曜の11:00で予約、

10:00和尚の勧めもあって墓へ、前に依頼した戒名の石堀の確認をしにいく。

10:20お墓へ。先祖への報告とお墓確認をする、
 戒名は彫ってあった、既に準備してあったんだな、と恥ずかしい思い。

その後、区内会長だったNさんの、今も経営する喫茶店で長居する。
母にまつわるいい話を聞いた、歩いてきて良かった。

11:29偶然か?
 母の誕生日と語呂が同じの時間に店をおいとま。
コーヒー代は遠慮された、田舎の良いところを久しぶりに実感。

住んだ者しか知らない裏道を通って最短で、冒頭にも書いた神社裏にある古墳塚跡を目指す。
その途中に、昔悪さをした田んぼがあった近くを懐かしく思いながら抜けて、
今は見る影もない塚を見学。

11:45車庫前停着、11:52タウン滝呂経由!あるんだ。
 やむ無くそれで多治見駅を目指す、と。

バッテリーが15%切る!行けるところまで書こう、ダメなら後で。
遅れる事数分バスが来た、初めてのルートワクワク。
完全にこのルートがメイン、故郷は取り残されてる。

12:18多治見駅着、駅前へフニヤ健在!
 真夏にはニュースに登場する、駅前名物? 温度計冬なので、六度なり。

12:31快速名古屋行きで中央線は勝川まで、新経路で小田井を目指す。
 一番線、昔あった出入り口は無い、上には広い高架橋、母と通った面影も無い、変わっているのだ、その点では母も知らない土地になっていて悔いはない。


12:57勝川着、暫く歩いて城北線に乗り換える、3%
13:32発小田井行き。
13:42着、こうして今日のささやか感傷旅行は終わった。

 

 今では住み慣れた街は、いつもと変わらず淡々としていた、

 逆にそれが清々しかった。