くろまのパーソナル・ワークショップ

生活・仕事への分析力向上を目指し、あえて辛辣に物言います。

アインシュタインの脳みその行方

先日のNHK特集で、NHKはあの天才アルバート・アインシュタイン氏の脳みその所在調査を実施していることを明かしました。

 

彼の脳は都市伝説的には、密かに保管されクローン技術によって天才の復活がささやかれていたものですが、事実彼の脳は保存され研究者によって解析が期待されていたのは、事実でした。

そのアインシュタインの脳みその所在について、具体的な調査を実行したこの企画は画期的なものでしょう。

 

ところが結果は悲惨なもので、調査前に半分の脳の所持者を突き止め、そこを起点に所在を追っていったところ、ざっくりとは所在が分かったものの、結果として新たに半分近くの脳失踪の事実が浮き彫りにされた、という皮肉なものでした。

 

そしてくろまにとってもっと衝撃的だったのが、所有者の所有動機があまりにも利己的で、高尚な知識人にとって彼の脳みそは、金や宝石のごとく財産でしかなかったという現実でした。

 

一般的に言えば、遺族(おそらく本人も)が望んだアインシュタインの脳の活用は、人類進化の解明に貢献するものだと、疑わなかったはずです。

しかしいざ具体的な調査をしてみると、解析技術のおくれや限界もあってではあるものの、その使用意図は変化し、科学者のカリスマの脳を所有することに始終している事実を浮き彫りにしたのです。

 

番組の調査によって明るみにされた所有者は、それを恥じて返却する意思を表しましたが、未だ半分以上の脳の所在者の意思も目的も明らかになっていません。

 

どれだけ科学が発達しようとも所詮今は亡き人の脳、本人不在の今にあって、統計学と予知技術だけでどれほどの成果があがるかは、正直言って限界があると考えています。

それ以前に科学者と言えどもヒトである以上その感情的限界を超えられない間に、アインシュタインの脳みその有効活用は、遠い目標でしかないのかも知れません。