くろまのパーソナル・ワークショップ

生活・仕事への分析力向上を目指し、あえて辛辣に物言います。

クルマのミライ、売れるクルマとは。

 N-VANの売れ行きは、ついに別次元に突入したと言ってもいいかもしれない。

発売数カ月たった今も連続トップでN-BOXを追い越すのでは? と思える勢いに、軽自動車を軽視していたくるマニアも、一目置かざるを得ないだろう程。

 

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新型「ジープ・ラングラー」発表会の会場から (webCG)

 

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ホンダ N-VAN 累計受注が発売3か月で2万4000台超…納期最長5カ月も | レスポンス(Response.jp)

 

上にあげた例などからも、売れている車は二極化がますます加速しそうだ。

一つは時代に合わせて、生活の手段に便利で、大衆の「手段」に使われる車、

もう一つは今までの車好きが「嗜好」で買う、個人の所有感を満たせる。

前者はコスパが求められ、後者は逆に金額は重要視されないのだから、おそらくそれぞれ見た目は同じ四輪車なのだが、中身は全く別でこだわり方の方向が極端と言っていいほど違ってくるということ。

 

2ちゃんなどでツワモノ達が、自動車についてうんちくを熱く語っているものの、こうしたくるマニア(自分も含め)の自動車への要望やフィードバックは弱まってくるかもしれない。

語るだけなら大いに結構なことなので、個人的には盛り上がって欲しいが、あまり現実味は無くなるだろうなと実感するのはくろまだけだろうか?

 

 

彼ら(メーカー)は必死になって手を返え品を変え、従来の車を「売ろう」としているし、一部車種限定で見たクルマの注目度はファンにとっても喜ばしいことなのだが、自動車業界全体で言えば、世界最大手のトヨタが懸念しているように、その将来性は喜べるものでは無い。

 

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トヨタがクルマの売り方の将来に抱く危機感 | 販売・購入 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

 

この空気は、車好きであればあるほどジワジワ来ていると思うが、以前書いているように、日本メーカーはそもそも国内市場の規模の割に数が多すぎで、高度成長時代の期待のまま、見合わない車種拡大を進めてしまった事が原因の一つにある。

では、これからも注目されるクルマってなんだろうと考えると、クルマそのもが人に与えられるこを、もう一度見直した上で出来上がったクルマこそそうなんだろうと思う。

 

自動車の価値が私たちの中で変化していて、その琴線に掛からないから注目されないし売れないという今の時代は、一見見た目今までと変わらないように見えて、実際は内部で大きくもしくはじわじわと変化しているわけで、メーカーがそれに気づいて行動しなければ、クルマの存在班は下がる一方だ。

高級だから売れる、軽自動車は売れないなどなどの安易な価値観はすでに意味をなしていないということで、私たち過去の自動車観をもつ、くるマニアにしてももはや時代錯誤なのかもしれない。

 

売れる車を造るのが命題であっても、実は売りたい車を作っているのが現状だったし、冷えつつある自動車市場で売りたい車は売れるわけがないし、自動車そのものを嗜好の対象にしたり生活の一部として満足する時代は終わったのかもしれない。

くるマニアの立場からして、終わったというと寂しすぎるので言い方を変えて変化しつつあるのかもしれないと考えると、その流れは二度と元に戻ることはないだろうと思うので、本当に車を好きな人はカスタムフィギュアのように、一般の人からはあり得ないような、自分仕様にこだわる傾向が強くなるかもしれない。

 

それ以外の車好きは経済状況によって「妥協」をしいられることになる。

 

または、自分の嗜好を時代の流れに合わせていくのかもしれないが、これからの時代の車は間違いなく「モノ」でなく「コト」へシフトするので、旅行やキャンプするための車だったり、公共機関ではいけない場所へのコミューターとしての「手段」の一つに組み込まれる時代に入る。

今のうちは、金さえ出せば一見豪勢な車ファンを気取ることはできるだろうが、それ以外の人から見て何ら関心を持たれることはないし、むしろ「ウザい」対象でしかなくなる時代を迎えるのだ。

 

なんとも肩身の狭い時代になったと肩を落としたくもなるが、すくなくとも数十年程度はまだまだそのマイノリティは存在価値が続くだろうから、ちょうど時代の変化に合わせて我々は一時代の締めくくりに合わせて、生きていけるだろうと思うのだ。