くろまのパーソナル・ワークショップ

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円の安全神話が揺らぐかどうかの分岐点。メガ銀行と地銀の存続の行方

 

銀行預金での金利メリットが無くなって久しく、さらに銀行業は生き残りをかけて設備投資の合理化を図る動きが目立ってきた。

 

www.nikkei.com

メガ銀行のATM相互開放の狙いは? :日本経済新聞

 

この一連の出来事で、国内の金融市場はよりグローバル化され、海外資本の介入を容易にすることになり、今まで担保されてきた日本基金の安全性への担保さえ薄れつつあって、円の安全性への優位性も不確かなものに変わる可能性が出てきたんだけど、メガバンクが本来守ってきた日本資本の安全神話を、彼らはどのように変えようとしているのだろうか。

 

日本円の信頼性は、唯一担保されている円による円の買い支えが実現しているからに他ならない。

この優位性を崩そうとする外資系投機筋の戦略が、国内ATMの統合の動きをどう捉え海外資本との連結をどう促すか、先に動いた国内金融機関のこの動きは、果たして円の優位性にどう働くか。

 

日本には、今のところ優位性の危機が訪れた際の救世主「ホワイトナイツ」となり得る企業は不在と思え、ますます国内金融機関の買い支えという、ガラパゴス路線の強化としか見られないのではないか。

それが今後、中国を含む新興アジア諸国の世界経済の影響度の拡大と、そのアジアにおける影響力のパワーバランスの変化によって、その安全神話が揺らぐ日は遠からず訪れるだけに、国内余剰資金の把握と流入出管理を左右しかねない、ATMのシステム統合はどこまで海外資本の関与を避けながら実行できるかがキモとなる。

 

本来この段階でのニュース・リリースは本来時期尚早だが、国内に散在している地銀のシステム統合は、それだけ統合の難易度の高さを浮き彫りにしているのだろう。

今後は、よりセンシティブな海外資本の介入対策が、この統合成功の鍵を握る。