くろまのパーソナル・ワークショップ

生活・仕事への分析力向上を目指し、あえて辛辣に物言います。

「先食い」しないと持たない、ワケありな日本企業

日本のビジネス事情で、海外のそれと最も違いがあるのは、

事業を始めるにしろ起業するにしろお役所主導ありきで、

成長性やビジネスチャンスの機会損失に関係なく、お役所のペースに絶対服従しなければならない官僚的側面は避けて通れない点が大きい。

 

企業は、本来の市場チャンスのタイミングを調整するために、まず利益の先食いをせざるをえなくなっている。

そんな固有の事情が、ベンチャー・起業を育ちにくくさせるばかりでなく、リスク回避にために大企業でさえ常態化している現実にお気づきだろうか?

 

そのプロセスは簡単に言えば、

先行投資後の出来る限り早いリターンを期待しても、そのタイミングに御構い無しのお役所の関所をクリアしなければならず、それにかかった時間をどこかで相殺しなければならないが、一旦失ったビジネスチャンスは取り戻すことが出来ない。

それでも、少しでも回収しようと利益優先の戦略を取らざるをえず、結果長期視野ではリスク高くなる利益先食いをせざるをえなくなる。

 

この堪え難いリスクは、大企業には吸収力があるものの次世代の市場を形成する筈のベンチャー零細企業の将来性は期待できる筈がないし、大企業も超がつくほど保守的になって、雇用者まで利益の恩恵は降りてこなくなっている悪循環。

 

一見正統性のある「未成熟なビジネスへの懸念」を日本の市場は、必要以上に忖度し過ぎる風潮があるようで、その尻込みが昨今のグローバル市場への優位性を次々と奪っおり、一向に改善を見せない。

 

これは企業家だけでなく政府関係者ともども、護送船団方式に護られ世界に対する競争力を養ってこれなかった日本の、独特なお家事情が災いしている。

 

今になって国内で認識され出した、国境を超えた市場成長への認識を、遅くとも20年前にはデフォルトとして認識できなかった時点で、勝負は見えていたのかもしれない。

 

今更、東京オリンピック大阪万博などのブランド力だけで、盛り上げようとするのは付け焼き刃に過ぎず、むしろさらに大企業優勢の柔軟度の低い体勢を固めてしまう危険性が高くなっている。

本来なら、敢えて安易なブランド依存せずに、危機感を実感できる環境での体制づくりを選ぶべきだったのではないか?

こうした「結果の先食い」ありきの起業戦略が見え隠れしてる市場に、今後海外からの関心が高まる可能性がどれほどにあるか、論を待たず先は見えているのに。

 

先週放送されたN◯Kスペシャルの証券会社破綻の検証を見て、

「我が国は、変わっていないな」

 

とため息が漏れた。