お盛んな欲望への、ささやかな筆者の嫉妬
ちょっと詳しい業界ではないけれど、このような広告が出たそうで、それにまつわる問題がトラブルがあったとの記事に、食いついた。
ピーチ・ジョンの「媚薬騒動」がはらむ「こっそり」以外の問題点(野島 梨恵) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
確かこのメーカーは、下着ブランドで有名になった企業と記憶しているが、いつのまにか裾野を広げていたようで、それはそれでありだとは思うが、こうした業界は実用性を売り物にする企業と、イメージを売り物にする企業に別れるのかもしれない。
この企業は、後者に走ったのだろうが、こうしたブランドづくりまつわる、イメージ戦略においては、世界観の周知からこうした商品で「曖昧な機能」を表現する方法を誤ったのかもしれない。
男性くろまにしてみれば、女性から呼び水を設けられるシーンは、ちょっと気分良く無いという思いもあるし、誘われて乗らぬのは男でないという思いもある。
そんな微妙な男子の心理を「弄ぶオンナ」のイメージをオシャレに演出しようとする意図があったのだろうか。
男性用でも似たようなものははるかに多いだけに、立場からしてとやかく言えないが、実益のない商品そのものを否定するものでなくとも、結果的にこの広告・商品の存在が、メーカーのブランド戦略としては効果がなかったどころか、マイナスにはたらいたということか。
こうした戦略は、事前の社会的根回しが必要で、なぜ「電通」とか「博報堂」などの代理店が存在するかということに等しく、彼らが企業戦略をあらかじめ太いパイプを駆使して、世間体を均してくれているので「上手くいく」のであり、い一企業たんだけで、新規市場への参入を簡単にできると思ってはいけない、良い証明例。
「こっそり」って、今時子供同士の会話でもその場のニュアンスがお互いに共有できていない状態なら、大げんかの火種になりかねない言い回しを、企業が単独で実行すれば、どうなるか?
推して知るべしの事例であった。
今、男女の関係そのどちらのスタンスからも「草食化」していく時代に、あえて肉食的な提案は、くろまの世代には刺激でもなく普通なことでも、この企業のターゲットにする世代には「劇薬」級な効果を狙ったのかもしれないが。
この戦略は、ちょっとした場違い感を演出しただけなのかもしれない。