SFXテクノロジーが見せる未来表現のコスパ
映画好きな筆者の中でも、この作品はジェームスキャメロン監督作品と並ぶほど、深い作品だったが、久しぶりにこの話題が出ていたので、世界観について触れる。
『エクス・マキナ』インディーズ映画の可能性をアップデートした、アカデミー視覚効果賞受賞の新しいSF映画 |CINEMORE(シネモア)
エクスマキナは、近未来表現の中でも、今ではマストなAIとアンドロイドが再現するリアルな驚異について予感させるものだったが、この映像表現の裏に仕込まれていた作品の意図には決して単なるファンタジー作品には無い、胸に刺さるものが周到に表現されていた。
それは決してSFマニアにありがちなコアな意味のものでは無く、広く多くの人に共有しておくべきものだったと記憶しているし、この手のメッセージは露骨に出せない現実的な事情もあって、SFでもギリギリの範疇で、しかも低予算で作られた作品だった。
表現の自由が謳歌できる世界は、こうした優良な表現をも私達に提供してくれるが、それは完全な自由ではないと同時に、誤った表現の自由で意図的に撹乱を図る者たちの表現と共に、例えこうしたバーチャルであっても決して自由ではない世界に、我々が生きている事を自覚させられる。
かつて、純粋にSF映画に未来と希望の目線だけで楽しめた子ども時代とは違って、大人の時代に入って素直に楽しめなくなった自分への、警告と戒めとして取り上げてみた。