くろまのパーソナル・ワークショップ

生活・仕事への分析力向上を目指し、あえて辛辣に物言います。

努力が運で実を結ばない進路に、希望を見出す環境

また新たにがん治療に関して、日本人研究者のノーベル賞受賞に、自然災害ニュースの多いなか、希望のある話題があったのはとても喜ばしいです。

 

この明るい話題のなかで、受賞者の本庶佑(ほんじょたすく)氏が語られている内容で、基礎研究費用の減少を憂う下りがありましたが、IPS細胞開発者の中山教授もおっしゃられていたように深刻な課題が印象的でもありました、そこで今回は研究や学習の基盤になる大学制度について書きます。

以前から日本の大学受験制度に首をかしげていていまして、くろま以外の人も同じような意見をされる方も少なくないのであながち的違いでも無いと思うのですが、入り口を狭くして出口はゆるゆるな進路システムは、たくさんの機会損失を生んだように思うのです。

 

日本の大学の最高峰と言われる東大は、戦後も日本人の知能象徴として国内外に君臨している印象がありましたが、ここに来て世界での大学ランキングではその影は見られず、新興国の大学にさえあっさり抜かれると言う、日本人の認識からは驚愕的な事実がわかっています。 

戦後技術面では世界のトップを走ってきた日本は、それだけに猛進してきた一方で、知財開発や人材育成、その国際化対応において無防備なほど準備をしてこなかった結果が、こうした大学制度の見直しの遅れにつながったのでしょう。

 

実際に、下の引用記事にもあるように、学歴社会においてサクセスのチャンスであった有名大学(記事では東大)へのキップを手に入れる絶望的な現実の検証を見ることができますが、入り口が狭すぎて努力よりも運で合格が決まって、出口はゆるく将来が保証される制度によって、大企業や官公庁と言う日本の将来を左右する、学閥や派閥の影響力を高める結果につながったのは、日本の発展を画一化し将来への可能性や柔軟性を極めて無くしてしまった現実へと誘う事になります。

 

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「勉強すれば誰でも東大に入れる」という幻想 - 我、京大生ぞ

 

有力な大学合格さえクリアすれば、将来の保証がされると言う幻想を本当に実現してしまった日本の教育制度は、グローバルレベルの変化の波に当然対応できるはずもなく、世界ではマイノリティなエスカレーター式に乗っかる事しか考えられなかった人々が、海外の文化経済や語学学習を怠った結果、東大のランク外と言う残念な現実となって、現れました。

 

政府は今更のように、場当たり的な英語学習の推奨をうたいだしましたが、現状の学閥派閥組織が居座る間は、根本的改善は見えて来ないでしょう。

私達に残された緊急措置は、個人個人でリスクを負って進路を決めて行動しないと、就学期間の10年などあっという間に過ぎてしまいます。

 

 まあ、合格し成功を約束された引用記事筆者や、特別高学歴でも成功者でもないくろまが言うことが、どれほどの説得力があるかはわかりませんが、これらの現実を危惧し国内教育制度に不信感を持つ人は少なからずいるという実感はあリます。

それでも、場当たり的な行政が見え隠れする国内の事情を少しでも理解するきっかけになればと思いますし、日本が経済成長ありきで雇用増大に始終した結果、今までおざなりにしてきた経営や語学、創造と改革のノウハウ、その資金管理方法と可能性についての魅力を、海外の大学と同等に学ぶ仕組みを実現すして始めて教育改革と言えるのではないでしょうか。

 

今の日本国内の教育市場は、新興国の発展を望む者たちがノウハウを身につける以外は、魅力的な市場と言い難い状態ですし、少し前までそのひとつであった中国人々は、それさえ飛び越え欧米への海外留学に活路を見出しています。

世界情勢にダイナミックに対応することが、エスカレーター式教育では通用しない現実の中で、それでも国内にかろうじて育つ優秀な人材が、海外に流出しないうちに対処療法を的確に施さない教育市場は、日本をより孤立化させかねません。

 

国が適切な対処をしていないと感じるのであれば、それぞれでリスクを採っても世界の流れについていく手段を講じて然るべきでは無いでしょうか。

成功者の定義が話題に登ることがありますが、この現実に対処できるか否かにその答えがあるように思いますので、今置かれている立場を冷静に判断し、国を可能な限りあてにして、あてにできない分は自分で踏ん張るしか無いのが、残念な現実の日本と言うことです。

 

このような次世代の可能性や才能を伸ばすのにとても重要な玄関口となる大学や大学院制度は、新時代に向けカイゼンされなくてはなりませんが、今回の本庶佑氏のような有志の気概は、とても励みになって希望を見出せた点からも、良いきっかけになることをせつに望むものです。