くろまのパーソナル・ワークショップ

生活・仕事への分析力向上を目指し、あえて辛辣に物言います。

グローバルbusinessとローカルbusinessの差

戦後日本の経済成長は、昭和リアルな時代を見てきたくろまにとって、ありありとその形跡をたどることができる。

日本にとって敗戦は不幸だったが、おの反面反駁の勢いが増して高度経済成長に繋がった、人も多かったからそれを支えて「ひと・もの・かね」のバランスが良く、前向きなベクトルとして機能した時代だった。

 

あこぎなことも、アレコレあったしそれ自体は負の遺産だったかもしれないが、それ以上に向上するモチベーションとなにより勢いが止まらなかった。

その勢いを代表する田中角栄氏の「ブルドーザー式」と言われた経済政策で、山となった課題を、公共事業でモリモリと押し返しながら、金を生んで行ったのだ。

 

今は、その勢いは無いし、若い世代なら伝説どころかその事実さえ知らない者が多くなった、時代は変わったのだが、くろまを含む昭和世代はその現実を未だ直視していないように映る。

気がつけば、年金システムは滞りを匂わせ、エスカレート式と言われた教育と就業は保障されなくなっている。

 

それでも物価は、その落差をあざ笑うかのように、小ぶりな上げ下げしかしない安定ぶり、政府の経済指標も乱高下することなく日本語の曖昧な「やや〜」とか言葉遊びに思えるよな表現でまやかしている。

 

「日本は、平和ボケしてしまった……」

 

そう思う人がいて当然な時代。

その一方で、「豊かな恩恵」の時代と、

若い世代は、安定した社会を前提とした生活を謳歌している。

 

戦争の苦渋を経験した世代は一気に減少しながらも、その姿を溜飲を下げて見つめるもの、失ったものを嘆くものと別れるが、いずれにしても安定した平成時代にかつての勢いと変化のあった時代を懐かしみながら、余生を送っている。

 

この日本の姿が、世界のそれと同じならばそれはそれで良い。

 

しかし、現実は乖離しつつあるように思う。

多くのひとは、その危機感を肌で感じていると思うが、その危機感を一番感じているのは政治家であり、彼らはその勢いを維持する政策を国民への複利充実より優先して進めている。

豊かな国の政府がする政治とは思えないこの行動が全てを物語っていて、我々もこのままではいけないという危機感は持っている。

それでも日本の市場は、何か他国の先進国とは違和感があるのはどうしてか?

明確な答えは、

「資産の先食い」

にあると考える。

景気が上向いて、生産率も上がっている、この点は順調と言っていい。

その最中に、その収穫を「今の幸せ」のために先食いしているのだ。

 

その結果、かろうじて日本は安定している空気を維持し、それに乗じて消費が加速させているのであって、その出どころは国家予算の借金積み増しと、国民資産のローン増加による先行消費にある。

かつてアメリカの「プライムローン」にあった、借金先行型の経済成長計画を、今日本国内で実行しているということであり、懸念するは「東京オリンピック」「大阪万博」で、益々その勢いが加速していくことだ。

これら2大イベントによって、外貨獲得が優先されれば多少緩和されるかもしれないが、おそらくそれを上回る国内資産の先食いがわかりにくくされるリスクの方が大きいのでは無いかと考える。

 

これは政府・企業に限らず、赤字であればメディアでポジティブ情報で補填するという常套手段であり、特に日本政府は巧みにこうした公共事業・イベントを盾に、日本の景気上向きのイメージを上げてきた。

これ自体に罪はないが、平成に移って以来日本の景気はこのアゲアゲ政策でさえ効果が薄くなっている。

 

これまでは、自分が自分を騙して精神論でモチベーションアップできていた時代だったが、世界経済はそのアナログな精神論をあざ笑うかのように、多くの犠牲を払って国同士の経済戦争を戦っているのだ。

費用対効果が低くなっているところに、立て続けに東海新幹線リニアも含めた「未来志向」イベントをこれでもかと言わんばかりの連投を繰り返している、そのアピールによって世界経済に肩を並べていると見せなければならないから仕方なかった。

 

平成に続く元号は何になるかはわからないが、偶然か必然か日本の実質経済力に併せて元号が目まぐるしく変わっていく時代、来年は西暦で言えば単に2019年と記されるだけだが、元号で言えば日本の課題を背負った新たな時代に踏み込んでいくのである。

これからの時代を戦う日本にとっての課題は、政府が日本の価値「協力とまじめさ」をいかにまとめ、優良企業の成長は緩めないようにしながらも、全体像としての「オールジャパン」体制でまとめ、企業ブレーンと戦略的に才能ある企業や人材を活用できるかが成功の鍵となる。

 

そして、国内の資産の信用性が高い今のうちに、人材不足によるマンパワーに頼らない効率の良い経済成長を模索し、実行する必要があるが加えて、今後もグローバル経済を担うポジションであり続けるために、日本らしさと世界経済に足並みを揃える姿勢を、より明確にし小国なりに精鋭主義で一点突破をねらうしかなくなるだろう。

日本は、東南アジア諸国とあらゆる面で肩を並べるようになった今、今更アメリカや中国のようなリーダー国になるのは不可能であって、いかに尖った一面を見せていくかは、日本のグローバル化達成の指標になるだろう。