くろまのパーソナル・ワークショップ

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ゴジラとは、人の自然破壊の警鐘と八百万神信仰の象徴

庵野監督版の「シン・ゴジラ」も相当インパクトがありましたが、先ごろ完結を迎えた通称「アニゴジ」シリーズ3部作も話題になり、結構な仕上がり具合でジャパン・アニメの話題に、事欠かない名作として取り上げらげられています。

 

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『アニゴジ』は“ゴジラ作品”としてどうだったのか? 3作かけて向き合った壮大なテーマ|Real Sound|リアルサウンド 映画部

 

ゴジラ」に求められてきたアクション性や娯楽性ニーズの欠如で、長い間封じられていたシリーズにおいて、海外での注目度が高まりハリウッド映画化した経緯もありましたが、この2作は邦画としての「ゴジラ神話」を鮮やかに復活させた意味で、大成功した作品ではありますが、元祖特撮ゴジラシリーズから綿々と引き継がれるテーマには全くブレはありません。

 

そもそもゴジラとは、怪獣の姿をしてはいますがその本来は、日本神話から綿々と引き継がれる自然信仰への畏れの象徴が具現化した姿でした。

初代では、原爆被害への憤りと公開当時社会問題だった環境汚染という社会問題への警鐘という名目で映画化され、そのあまりにも重いテーマと高度成長期の娯楽重視傾向の映画娯楽との板挟みで一時的に役目を終えた経緯がありました。

 

もう一つの背景として、当時からの日本のアメリカへの忖度気質によってタブー視された面が少なからずあったでしょうが、しばらく後に米ハリウッド版GOZZIRA」が続けて公開され、アメリカ市民のリスペクトと評価を得たことで、邦画版復活の素地が見直されることになって、晴れて名監督・脚本による復活となったことで、最新技術による今見ても色褪せないクオリティの作品に仕上がりました。

それ以降、ゴジラアメリカ版と日本版の二足の草鞋を履くことになったわけですが、娯楽性については両シリーズとも遜色ないレベルで肩を並べますが、一方で根幹に流れるテーマは別々の流れを汲むことになります。

 

米版は国内でも問題かされ出した「自然災害」への警告にとどめ「核被害」にはセンシティブな仕様になり、日版では両方を継承しつつも、「シン〜」では現在の複雑な政治構造への皮肉を、「アニ〜」では最近明らかにされつつある宇宙の構造探求と、より日本人に関心の高い現代性を匠に盛り込んだ仕様で、どちらもリアルな映像表現もウケてヒットしています。

 

今回は特に最新作アニゴジから、注目したいテーマに絞って記事りたいですが、本作は敢えて娯楽性を大人限定としかつ、社会問題から大きく離れた位置で、ゴジラやおなじみの怪獣を地球全体と宇宙構造の仕組みと置き換えてスケール感を高めているようです。

この手法は日本アニメの歴史では「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」より引き継がれる宇宙ロマン路線の流れを汲んでいるのかもしれませんし、それに上乗せして大人でしか解釈が難しい宇宙の科学的解釈と、ゴジラ普遍テーマの自然畏怖の精神的解釈を高次元で映像化しているようです。

 

実写版ではできないアニメ独自の映像表現と世界観構築を、話題の制作人材によって繊細かつ複雑に仕上げた印象が強く、元祖が受けなくなった「単純に楽しめる」娯楽性をビジュアル面以外はストイックに削いだ印象が強く、そこがこだわりアニメ派に刺さる新しい方向性の娯楽を生んだとも言えます。

 

 

今、別作品の「宇宙戦艦ヤマト」がリメイクされアニメシリーズが進行していますが、これらの作品が単なるSFエンタメ作品としてではなく、日本歴史文化の遺産としての注目度が高いことには、大きな意味があります。

 

最も長かった昭和時代に産声を上げ今鮮やかに復活を見せるヤマトやゴジラ作品が、何を訴えんとするかは、日本に住んできた私たちには永遠のテーマとして理解されるものですが、最も重要なことは日本がブームをつくったアニメ・映画によって、今後も多くの世界の人々にメッセージを伝え、これからも親善大使としての役割を担っていくのでしょう。

 

 

最後に、多くの人が気にするだろうゴジラGODZILLA)名前の由来についての記事があったので、添付しておきます。

oshiete.goo.ne.jp

謎は深まるばかり!? 「GODZILLA」と表記する訳と名前の由来を東宝社員に聞いた! - ウォッチ | 教えて!goo