くろまのパーソナル・ワークショップ

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5Gインフラ市場に絡む米中の狙い

 世間(国内)では次世代通信インフラ「5G」テクノロジーの話題は、良い事ばかりがニュースされ、冷え込むスマホ市場のカンフル剤にとばかりに沸き立っているように見える。 

 先日から着々と進む米中貿易交渉の進展に注目が集まる中で、嬉々として全体像が見えないその全貌は、どのような姿をしているのか。

 

 22日段階では、中国通信機器メーカーのバッシングの根拠にもされた真相については明確でなく、事務レベルでの交渉段階では明らかにされていないし、推測すらできない状態だった。

この段階で、あれこれ騒ぐのは時期尚早ではあるものの、筆者は昨年から追っている関係上、あえて虎穴に踏み込んでいくし、そうした推測や検証こそが素人メディア時代のあるべき姿と考え読み進むが、H社などの中国メーカーのスパイ容疑はスケープゴートだったのか。

 

web.smartnews.com

米中通商合意、ファーウェイ・ZTE巡る内容含むか不明=トランプ大統領 (ロイター)

  

一般的な5G技術の期待と認識は以下の記事のように言われるように、日本に限らず次世代通信規格がもたらす経済的恩恵はとてつもなくでかいだけに、世界の誰もが普及を期待するものだ。

 

japanese.engadget.com

5Gがメディアのネットシフトを加速する:本田雅一のウィークリー5Gサマリー - Engadget 日本版

 

 

 ところが、まだ交渉途中とはいえ米関連大手企業はアメリカにおいてその普及は消極的とも思える記事も出ているのはなぜか。

 

web.smartnews.com

5G対応モデムチップ、来年まで電話に搭載せず=インテル (ロイター)

 

 ここまでの情報で推測できるのは、アメリカと中国のスタンスの違いが問われているという事なんだろう。

アメリカは、単に通信インフラという新業態には保守的で、むしろ金融市場の制覇に重きを置いているため、安定した通信による保証されたセキュアによる、金融決済や無金ネット決済の市場において中国を出し抜かなければならないからだ。

 

一方で中国は、自国の優位性である近未来技術の普及によって、西洋側が築きあげた旧知の経済的優位性を一気に逆転しようとしているため、アメリカからH社そのものというよりも中国製の通信インフラ普及の保証をなんとか確保しようと躍起になっている。

 

そもそもアメリカは、5G技術開発においては遅れをとっているため、合理的には現存する技術をうまく取り込んで、金融市場を従来通り制覇したいのが本音だろうから、中国との交渉においてどの国より中国技術ベースでの5Gインフラでの優位性を確保しなければならない。

その実現は大統領選もからみ「綱渡り」を余儀なくされるし、軍事的バランスや本丸の貿易優位性も今以上に高めなければならない中での時間稼ぎと考えれば、北朝鮮との首脳階段でその総合的な方向性が、見えてくるかもしれない。

 

総合的に考えると、日本の個人都合は考慮されることはないだろうし、むしろ中国北朝鮮側に表面上は優位に働く公算が高い。

投資家ジミー・ロジャース氏が北朝鮮の至上性に注目するように、アメリカ資本は伸び代の大きい国に注目するのは当然で、この競争についていけない国は中国が進める社会主義化の波に飲まれざるを得ないだろう。