くろまのパーソナル・ワークショップ

生活・仕事への分析力向上を目指し、あえて辛辣に物言います。

最後の純国産液晶とかぶる国内企業の明と暗

この結果は、JDIに限らず中国市場に依存する全ての企業に共通する問題で、リスク分散や海外市場戦略の困難さを浮き彫りにした。

 

今更あげるまでもなく各企業は、独自の戦略の責任において、この解決策をクリアすべきだが、その明るい報告は今の処聞こえて来ない。

 

gendai.ismedia.jp

中国にも見放された「日の丸液晶」ジャパンディスプレイの哀しき迷走(鏑木 邁) | マネー現代 | 講談社(1/4)

 

指を加えていたわけではないだろうが、ここに日の丸企業の世界市場の視野の狭さと国内市場に依存する甘さが露呈したということか。

 

この課題クリアの難易度は、かなり以前から認知されていてJDIは第三セクターからのスタートとしては善戦したと思うが、ここ轍から抜け出せる企業が見受けられないのは、あまりにも保守に回りすぎる日の丸体制の危険度を見せることとなった。

 

ここ結果をもって、日本企業の国際評価の格下げは、ますます正当化されるのは避けられず、一矢も報いられないのは残念。

 

 

一方で、こうした目からウロコの視点変更も聞かれる。

 

web.smartnews.com

日本が輸出に頼らなくてもやっていける国になる理由 (ダイヤモンド・オンライン)

 

今追い打ちをかけられる中国と同じように、敢えて国内市場に帰る「原点回帰」策だが、労働力(供給能力)の減少には市場の絞り込み(需要規模)をする発想は、バランスシートを基礎にしたMMT経済理論的にも叶っていないだろうか?

 

 

ただ一方でこういう指摘を弱気な企業がするかもしれない。

現状の企業規模や戦略によっては、軌道修正が絶望的な企業も多く、全企業の選択肢はなりにくいが、いっそ国内専属企業と海外法人を完全に分けてリスク分散を明確にするのも手かもしれない。

言う方は簡単だが実行する方は簡単ではないにしても、それだけダイナミックな戦略変更が要求されている事を、暗示しているのは間違い無さそうだ。

 

今考えるべきは、市場拡大ではなく既存市場をどう見直すかという段階であり、例えば国産企業の戦略が、国内市場を信用していないことは、このような有事に目線が散漫になりがちな大企業体質を浮き彫りにしているのではないか。

 

autoc-one.jp

なぜ日本は後回しなのか!|ホンダe欧州で予約開始|【業界先取り】自動車ニュース2019国産車から輸入車まで【オートックワン】

 

瀬戸際での言い訳は、インフラがどうのとかいくらでもつけられるしそれの繰り返しでは出口は見えてこないのではないか?

国内製品の愛着心は国内市場にこそ最大化できるし最も確度の高い正攻法だ、この愛国者に支えられた市場強化戦略は、もしかしたら中国で先に花開いてしまうかもしれない。

 

市場の需要が優れば、それが引き金になってインフラ需要は後からついてくると、信じられないのはある意味政府の緊縮財政の悪影響だろう。

日本は幸いなことに経済は豊かで安定している今こそ、原点回帰で国内市場掘り起こしに集中することは、市場の可能性を掘り下げることにつながるのではないか。

それは裏返せば世界戦略への手厚いノウハウにもつながっていくのではないだろうか。