くろまのパーソナル・ワークショップ

生活・仕事への分析力向上を目指し、あえて辛辣に物言います。

ソニーの復活と日本の未来

筆者の世代ならオーディオ通信機器の革命家として映っていたかつてのソニーが、ゲーム機とスマホをのぞいて、破棄してまで再起に挑む姿は痛ましいかぎりだが、その努力は地味ではあるものの成果を出しているのがせめてもの救いだ。

 

高度経済成長に乗って、画期的なアイデアで奇抜な製品を世に投じ、バブル最盛期日本の製造コンテンツの最先端、世界のソニーと世界の象徴のように評価されたこの企業の、カリスマ創業者の遺伝子はまだまだ生かされているようだ。

 

ただ国内景気の冷え込みで評価が下がり、海外進出に過大な投資を続けたツケは、その確固たるブランド力を低迷によって、下げてしまった。

 

ジャパンブランドは、このソニーに代表されるように一時代を築いた、ステイタスであり代名詞だったという過去の思い出話だけでは、単なる愚痴でしかないので、この結果を見ながら日本のこれからがクリアすべき復活の是非につい書く。

 

その復活と日本の可能性は、あるのかないのか?デッドオアアライブの行方は……と言えば課題な期待は持てないのが多くの意見となるだろう。

 

これからの時代が、中国やインドなどの人口大国を除いては、殆どが大量消費時代の功績を忘れ去らなければならないだろうし、それに捉われ続ける悪影響の方がむしろ甚大だと言われる時代に入っているという。

 

この話からも、これからはミニマムな個人消費の時代であり、ブルーオーシャンの概念も市場を縮小して求める時代と考えれば、機動力を失っていない企業にとってサクセスチャンスはむしろ増えていると見られる。

 

ただ、あまりにもその変化が早く、過去の実績やノウハウではとても追いつかないという、未知の課題もクリアする必要があって、より多様性のある柔軟な発想と、アイデアのリンクが成功の鍵になる。

 

その点で、ソニーの原点はとても時代を先取りしていたし、今でもその名声は評価されるに値するものとして取り上げてみた。

 

今やIT業界では知らない者は居ないアップル社の創業者でさえ、リスペクトしたこの日本企業の先見性とユニークさは、何によって生まれたのだろうか。

 

戦後のどさくさにあって、軍事転用の技術力を行動成長時代を先読みし、国民の生活に役立てる事に特化し、経営安定よりもその発想の鋭さに割り切った事で、どこよりもぬるま湯に浸かる事なくだし抜けたこのスプリント性は、とても刺激が強いものだった。

 

過去の事案を、懐かしみだけに終わらせずに、学び、反省し、未来に生かして創造していく、割り切りと行動力が伝説を生んだのは、世界に共通したサクセスストーリーであるのは、目線を磨かなくてはいけない我々を、鼓舞してくれる。

 

過去や年齢に依存しては何も始まらない、どんな立場でも諦めた時点で時計は止まるのである。

 

その停止ボタンを押すのも押さないのも、誰でもない自分自身なのだと腹を括れるかどうかで、きっと見えて来る世界が大きく変わると信じて生きたい。

 

 

 

wired.jp

CES 2020:ソニーがつくった初めての「クルマ」から、自動車分野にかける“決意”が見えてきた|WIRED.jp