くろまのパーソナル・ワークショップ

生活・仕事への分析力向上を目指し、あえて辛辣に物言います。

”一生懸命”が評価された、日本の職場習慣の将来性

国内で、経済成長著しかったころには単に「身体一つで”やる気”だけ」持っていれば、即戦力になるし、これまで十分経済成長も見込まれてきたように、一生懸命がんばれば評価された日本の職場環境とは、正しかったのだろうか。

 

今でこそ、多くの人がその問いかけに首を傾げる人が増えているように、様々な偶然や意図的な狙いが功を奏して結果的に成功事例を生み出してこれたのは、むしろラッキーだったに違いない。

 

ただ誰もが、いまさら将来までこの幸運が続くと信じる者はほぼいないだろうし、市場のグローバル化が浸透する中で、努力の量よりシンプルな結果が要求されるドライな社会が、当たり前になるのは分かっていることだ。

 

しかし急には人の心構えは変わらないのか、そのおかげで新しい働き手には旧態依然の仕事観は継続され、その一方結果は否応なしに要求され、その狭間で宙ぶらりんのままブラックな職場環境が、悲鳴を上げている。

 

これからの新しい働き手には、もう子どもの頃から解っているのだ。

 

古い掟の中でしか働けない人の中で、不条理な要求を器用にかわしながら、新しい職場環境を気づかなければならない現実に。

 

新規参入企業はこの不条理を解決する必要は無い、もっともその不条理を受けるのは高額好待遇を期待して入った大企業の新人たちだ。

 

中小企業のそれは、そもそも大企業に比べたら弱い立場であるのは昔から変わらないので、入った時点で覚悟の上の話だが、個人志向化傾向の高い新人にとって、大企業のそれは拷問に近いに違いない。

 

中小企業の彼らにとって、待遇が良い分恵まれていると思うかもしれないが、考える以上に大企業の束縛と不条理は半端ない上に理不尽だ。

 

よって大企業の社風にもよるかもしれないが、多くは大企業病に冒され新人育成も型にはまった真新しさの無いものが多く、ロボット生産工場のようなものだ。

 

そう、日本の企業風土は海外のそれに比べて、個別の実力を評価せず利用するだけで、個人の才能を会社の評価に転用し、都合悪ければ塩付けにし無能化するような、縦社会特有の組織を作りたがる。

 

しかし、世の中はIT・ネットワーク優先の並列社会であり、むしろ縦社会構造は情報の不透明化の温床であるため、いま中国共産党が世界に叩かれるように歓迎されない。

 

今後も日本の職場環境は、高齢化社会で旧態依然の働き手が、会社の主要業務を押さえる状態は続き、新陳代謝は起きにくいが、世界はグローバル社会の時代に未だオールド〇〇が好まれる時代錯誤のまま、取り残されるのか?

 

今までの日本の産業構造では、生産業が主であったため得意とした技術継承は、とてもスムースにされてきた。

 

ところが、昨今技術面は自動化される世にあって、運営・企画・営業面の継承は門外不出だったり、個人ノウハウの意識が強いためか、継承がちぐはぐに見える。

 

技術肌の日本気質の濃い国内の職場環境は、いまだ個人能力の評価基準が貧しく、全体評価機運が強いために、ノウハウの個人間継承には懐疑的で過度な規制がまだまだ多い。

 

AIや自動化システムにノウハウを学ばせられるのは、多くは技術的なものであって高度な人間関係やコミュニケーションを駆使せざるを得ない業種には、人間の個人能力が欠かせない。

 

ただでさえ人材不足の時代に、個人的な経験やノウハウを企業が縛る慣習は、その将来性や拡張には、マイナスにしかならずむしろ生産性を下げることにつながる。

 

アフターコロナとか、ニューノーマルなどが叫ばれるようになったのは、大きく職場環境や生活パターンが変わらざるを得ない現実からで、半強制的に変わるあらゆる環境に慣れるには、日本は言うまでもなく時間がかかるだろう。

 

それを見越した企業の根本的改革が、その国の経済成長を大きく左右する事実を、日本の企業は旧態依然の意識のせいにしてはならないし、これまでの動かなかったツケに自腹を切るべきだろう。

 

もし、従来の意識から抜け出せない”歯車”でありたいのなら、せめて社内で経験者ほど新人の様に意識を改め、多くの本を読み、新しい社会の在り方を文字通り正しく理解して、今後のあるべき”歯車”として行動すべきなのだ。

 

過去にどれほどの成績を残してきたどうかにかかわらず、その評価は自身がするものでなく、周辺が評価し惜しむものである、それが居座る理由にはならないし、自分こそ被害者だと居直る者も、被害に加担する側になる前に後退したほうが良い。

 

継承の意志も無く、その改革意識すら無い者は、今入りたてでいわれのない覚悟を背負わされている新人のほうが過酷なのだから、ベテランが覚悟できていない時点で年功序列に踊らされた自分に気づくべきだろう。