医療のビジネス化が牙をむき出す時
十年ほど前からアメリカの動向を受けて、医療のビジネス化を匂わすかののようながニュースが見られるようになっていた。
リスク高すぎ…?腹腔鏡手術を受ける時に、気を付けるべきこと(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/2)
昨今の腹腔鏡手術で死亡の件で、その兆候は危険レベルまで達したと言っていい。
医療精密機器の便利さを売りに、医療費ダウンのメリットもあって、これまで患者側は納得していた。
確かに、その恩恵は大きいことに間違いはないものの、人の命を左右する商品だけに、たとえ神域のイメージが未だ高い医療であっても、私達は目を光らせなければならなくなった。
結局、
いくら医療機器が便利さを増しても、操作するオペレーターの経験値が手術の成否を左右することに変わりないが、今医者不足は避けられず、新人も実践経験を積みにくくなっている現実の中で、手術失敗のリスクは患者家族にのしかかっている。
こうした状況に一度でもかかわらないと、この問題の複雑さは理解しにくいと思うが、医者を責めればいいと言う単純な話では無いと言っておく。
企業とて、医療費コストダウンに貢献しているし、機器不良のトラブルでは無いので、責める相手になり得ない現状は、今後医療ビジネスをより有利にすることになるだろう。
行政による早期責任・リスク折半の指針が再整備されないと、当面のリスクは医者個人と患者個人の末端で補う悲劇が続くだろう。
今のところ、こうした現場の当事者になったことが無いものが多すぎるので、他人事に見られている危険度は計り知れないのだが、
ストライキを起こすほど当事者が増えないので、静観を決め込んでいる民衆の行き着く先は、さて。