くろまのパーソナル・ワークショップ

生活・仕事への分析力向上を目指し、あえて辛辣に物言います。

ファッション流行から見るビジネストレンド考

デニム生地の衣服、主に定番だったジーンズが売れなくなっている事実は、ファッションに敏感な層にも捉えられていようだが、この流れはもう十年ほど前から起きていて、ジーンズ発祥の地の岡山でも何度かドキュメンタリーが組まれるほど深刻だった。

 

この現象は広く捉えれば、ファッショントレンドの変化からみて、全体に定番アイテムさえも安定が無くなったことを示しているのだろう。

 

これは、一般に若者と呼ばれている層の境界認識が、高年齢化されている中で、ファッションにおいて、そうでなかった時代と比較して流行のエッジが効かなくなって、ある意味麻痺状態になりつつあるのでは?と見ている。

 

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ファッショントレンドに敏感であるはずの若者層上限が上がることで、未成年より社会人の比率が高くなったために、ファッションに消費される額が目減りしたことや、その社会人の所得が景気後退で市場全体で減っている事実が、定番デニムでさえついに影響が現れた。

 

デニム流行の停止については、それだけトレンドの均一化がもう普通になっていて、低年齢の若者は自分の好きなファッションに集中しだし、従来のトレンドに影響されにくくなっている、言って見ればトレンドレス・マイペース化の段階に入ったのだろう。

 

 

これはある意味、景気後退の傾向と言って良いのだろうが、これまで消費を牽引していた若年層を失いつつある日本の市場は、潤沢だった高齢層の資金力に頼らざる得なくなった、緊急事態の段階に入っていると言える。

 

今後は、その縮小される狭い市場の食い合いが加速し、どの業界でも淘汰が目立ってくる、そして体力勝負で生き残った者の独占化を許すしか無くなると言うことだ。

 

今回はファッション市場を例にとってはいるが、どの業界にも共通であり、最も動きが大きいとされるIT関連でも尚顕著に起きると考えられる。

 

市場の変化が業界のトレンド誘導より早くなっている誤算は、今後更に旧態依然の大手企業のミスリードと、本来それを改善するはずの振興企業の淘汰という悪循環を通して、特に輸出入に依存する業界の市場混乱は、より顕著になると同時進行で、消費者の所得保有の二元化を絡めながら、混沌としていくと思われる。

 

この傾向によって、ますます中国のような実利主義のビジネスモデルは、資本経済市場に幅をきかせていくと考えられるのは、皮肉な話だ。