自然災害への対応の違和感と、企業姿勢の不振
米カルフォルニア州の山林火災が例年より文字通り大きな「火種」を生んでいるのは、中間選挙の両党覇権争いが絡んだせいもあるが、最新の話題ではその火種が自然発火でなく、地元電力会社の管理ミスにあったと、さらに問題を複雑化させている。
さて、山林火災含めて台風や地震などの人為的でないとする自然起因の「災害」が、人為的でないのに増えている印象は、単にメディアインフラの発達だけでは納得行かなくなっている。
これらを安易に都市伝説や陰謀に結びつけるのは無理があるが、ちょっと違った視点を変えると、意図的か偶発的かの境界線は限りなくグレーになっている。
それだけに陰謀説的な物言いには、特別な配慮が必要で発信者側がより明確な分別をもって発信しなければならないと感じる。
そこで、今回の主張は一見陰謀的に語られ出している台風現象に関しての話題で、現実的な私たちの生活に関わる重要な問題について書きたい。
日本がアジアで先んじて先進国入りできたのは、日本人の反骨精神と勤勉さによるものなのは間違いないでしょう。
ただ、それによって急激な経済成長を遂げた反面で遮二無二はたらくことが当たり前になり、有給休暇もとらず雨の日も風の日も危険リスクを背負って通勤する慣習も当たり前になった今、こんな記事を見てふと思いました。
日本にもほしい? 台湾の台風休暇の話。(田中美帆) - 個人 - Yahoo!ニュース
自分が病気で休暇申請する時は「申し訳ない」と同僚・上司に引け目を感じながら休むのはまだいいとして、台風や大雨の際にも自己都合でない時でも「早出」するとか自己負担で出社している現状に理不尽さを感じる人は多いと思います。
ここ数年で過労死などの勤怠問題が騒がれたことで、大手企業の一部から改善がされつつある中でも、この悪天候に関する休暇の裁量は雇用者対被雇用者の間で決定されるのではなく、あくまで被雇用者の自己責任で決定される、つまり雇用者側は勧告はするものの責任は負わないとする企業が圧倒的です。
台湾の話で比較できるものか、適当ではないかもしれませんが、台風災害のときに台湾では対象の運輸会社が協議で運休を決め半日前にニュースで一斉報道されるそうですが、それに加えて対象企業も台風休暇を実施するそうです。
日本と台湾は地理的にも気候的にも台風の影響度がとてもよく似ていますが、日本と台湾では台風対策の徹底ぶりがここまで日本と違っているのです。
この点は日本政府は分かっているにもかかわらず、改善対策は取っていませんので、日本の場合事前対処は行わずに対処療法しか実施していないのですから、被害の出方も自ずと大きな差が出るし、災害対策の負担も重くなるわけです。
最近、台風被害の甚大なケースが多くなっていますが、被災者が膨大なだけに従来の事後対処だけで済ますのはいささか無謀と言えないでしょうか?
企業にとっていかなる場合でも生産性が一時的にでもおちたり、利益機会失うことはあってはならないというのは基本として理解できますが、働き手にここまで負担を強いてまで続ける意味は、人口減少と隣国アジア諸国の台頭によって、どのみち経済大国の座から引きずり降ろされるのは目に見えている今、そろそろ安全対策を台湾に見習っても良さそうな時期です。
事前対処の方が被害が少なくなることは目に見えていますし、企業がいくらコンプライアンスだとか社則で綺麗事をうたっても、はたらくものを危険に晒しても有益化を推し進める政府企業の体質が、そろそろ限界にきている気がしてなりません。
日本の社会が安定してきた昨今で、高度成長時代の慣習を引き継ぐ今、こういったさまざまな新しい時代とおの不調和な社旗的しきたりや企業ルールが、新しい路へ羽ばたかなければならない日本の足かせになりつつあります。
アメリカのトレンドにフォローしてきた日本の企業スタンは、そもそも日本の地政学的な性質とはマッチしていないために、とくに最近は多くの弊害が目立つようになりましたね。
雇用条件にしても職場環境より業績最優先の企業の姿は、兼ねてから海外企業からもバッシングを受けていた通り、大きな転換点をいい加減認めて舵を大きく切り替えるべきで、その前提で戦っていく覚悟とリスク取りが必要なのを、一部をのぞき企業経営者・幹部の多くが求めていないことこそ、陰謀論の類を生む不振の素になっていないでしょうか。