国産機MRJの苦難は、航空機産業の特殊性だけが課題か
引用記事を見て思い起こしたのは、日本製航空機MRJの量産化になかなか漕ぎつけられないもどかしさの解決の考察に至った可能性からだった。
旅客・軍用など航空機による事故が自動車のそれと比べて少ないことは有名だが、一旦起きたときの経済的インパクトは比べものにならず、それ以上にメーカーや政府の対応や、対処はセンシティブなものになる。
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航空機市場の歴史は、国内の問題をとっただけでも、極めて政治介入率が高く、事故によってはその原因や真相がお蔵入りに追い込まれることはザラである。
これは、収益率が極めて高いからで、かつて何度も日米間で航空機に関わる疑惑は時代の節目に起きてきたことを考えると、国産機MRJの開発や市場参入はどれほどの予見や準備ができていただろうか。
今年の夏にも話題が再燃された「日航機墜落事故」も未だ真相は闇の中で、その原因には軍事兵器の誤射や、登場していた日本人OS開発者の暗殺が発端にあって、乗客はその闇の犠牲となった可能性さえ出ている。
それらが真実かを問うものでないにしろ、利権や国策の行方によって大きな影響力がある独自性が強いことは、ロッキード事件とも合わせ否定できず、MRJにも日米間の市場優位性に大きな影響があったのだろう。
技術開発では一目を置かれる日本製品でも、アメリカや中国の政治的妨害の的になる対策は長けておらず、長所を伸ばす効率はよろしくないが、日本は政治家にしても企業人にしても、ディベートやロビー交渉力が低い間は、MRJが日の目を見る日は遠いかもしれない。
日本人の技術力は未だもってレベルが高いのは救いでもあるが、それを積極的に生かそうとも、ディベート力や交渉スキルの向上へ舵を切るともわからない、政治の方向性の曖昧さは、国内の景気低迷化をむしろ推し進める政府の姿勢と併せて、すでにアメリカの思惑の駒でしか無くなっているかもしれない。